東京高等裁判所 昭和48年(ラ)143号 決定
第一審の受訴裁判所が収去命令を決定するにあたって、債務名義の基本たる判決の内容に立入って本案請求の是非を審理判断することが許されないことは抗告人主張のとおりであるが、右判決で確定された収去明渡義務を具体的に執行するにあたりその判決に記載された目的物の形式的な表示がたまたまその後において右収去明渡義務の内容を実質的に変更しない範囲において変更をきたした場合には、代替執行の決定をする受訴裁判所としてはその執行が具体的には執行官によって行なわれるため右の形式的な相異を判決において定めた収去明渡義務の内容にしたがいこれを明確にしもって判決に基づく具体的な執行を適正ならしめる措置として収去決定において判決記載の物件の表示を現実に符合するように訂正補充することができるものと解すべきであるから、判決記載の収去明渡しの目的物の表示が、収去命令の表示と異っていたとしても、これが相異することだけの一事をもって本件収去命令が違法となるものではない。
(久利 栗山 館)